下駄箱で制服に着替えていた彩紗は、荷物をまとめると、 「吐いていいかな」と言ってこちらに歩いてきた。 「え、具合悪いの?」 「いや、えっと、茉莉恵のことなんだけどね」 「え?」 「突き落とされるようなことしてるみたい」 なんのことかすごく気になって内心早く聞きたかったけれど、 私はわざと何も言わずに歩いて、 再びグラウンドを横切るときになって彩紗が口を開いた。