下駄箱でローファーに履き替え、昇降口からグラウンドに出ると、 ソフトテニス部と陸上部の練習が見えた。 私は花壇の柵に寄りかかって彩紗の姿を探していた。 寄りかかった柵はところどころが錆びて塗装が剥がれていた。 その柵の塗装を左手で剥がしながら、 スカートを通して臀部に伝わる鉄製のその柵の冷たさに、 12月という本格的な冬の訪れを感じた。