「はい!」と精一杯の力を込めて返事をして、生徒会室を出た。 対馬先輩は、成績もよくて美人だと校内で一番の有名人だった。 スカートの丈は膝上5センチと好感を持てる長さで、 少し大きめの指定セーターを着て、袖を長く引っ張って手の甲をいつも隠していた。 その彼女の姿を思い浮かべながら、 鞄を両手で抱え、弾むように駆けてグラウンドへ向かった。