帰りの電車に乗り、1つ目の駅で目の前に座っていた親子が降り、
私と彩紗はそこに腰掛けていた。

「これまたびっくりだね」

そう言った彩紗に「うん」とだけ言った。

「あーもう、浮かれてるんだ?上の空ですか?」

今日の出会いに浮かれるよりも、茉莉恵の【ひとり暮らし】にびっくりするよりも、
私は涼くんと同じ制服の女の子たちが気になっていた。

「え?あ、違うよ」


「知ってる」