私たち女子校生と言うのは、とても隔離された環境にあって、
同世代の男の子とふれあう機会と言うのは、
一部の(茉莉恵のような)人を除いては極端に少ない。

だからついついばからしい下ネタを話す私たちが一般的に見て、
どれほど性や恋愛に対して興味があるのかということを示す指標を、
私たちは持ち合わせていなかった。


思春期の頃の世界なんて、そもそも親と学校がすべてであって、
他校に彼氏がいたり、明確な夢を抱いている子はマイノリティだったから、
公立校に通う同世代の子たちに比べて私や彩紗がとても幼かったことを
当の本人はこの頃知る由もなかった。