家で凍らせてきたペットボトルのお茶の氷は周りから溶ける。 茉莉恵は汗をかいたそれをタオルで巻きながら持って、 細長く溶け残った氷を舌でさぐるように大きく傾けて飲んでいた。 「茉莉恵飲み方がいやらしいってば」 彩紗は私の言葉を無視して茉莉恵に言った。 「キスの練習してるの」 茉莉恵がペットボトルを口から戻してそう言うと、 氷がガランと音を立ててその底に落ちた。