下駄箱でローファーに履き替え昇降口を出ると、
もう立派に【夏】の太陽が容赦ない日差しを浴びせてきた。

「あちぃー」

夏服のブラウスの上には白いベストを着なくてはいけないのは、
透けて下着が見えてしまうのを防ぐためだと解釈できる。

ベストを着ていない彩紗はそう言って、
私と茉莉恵の少し前を歩いてグラウンドを横切る。

「ブラ透けるってば」

私はテスト中に電源を切っていたPHSの電源ボタンを長押ししながら言った。