只今の時刻、2時。


草木も眠る丑三つ時…とはまさにこの時間帯。


「…と…、トイレ行きたい…」


小学6年生の真由は、昨日、自分の誕生日のお祝いとして、家で友達とパーティーを開いていた。



(きっとあの時、ジュース飲みすぎたから…)


真由はいまさら後悔していた。


(トイレ…あたしの部屋の下なんだよね。階段、通んなきゃ…)


真由は、小さい頃からあの薄暗い階段が苦手だった。



(…我慢できない…行こう…)


真由は決心して、自分の部屋を出る。


昨日はとてもにぎやかだったのに…


家が、まるで死んだように静かだ。



(…怖い…)


階段の下は、暗闇に包まれていた。


まるで、この階段が無限に続いているみたいに見える。



(頑張るぞ)


真由は一段一段降りてゆく。



ギシッ…ギシッ…



床のきしむ音が、恐怖のせいでまるで誰かの声のように聞こえる。


ギシッ…



(ふう…)


階段はなんとかクリア。



こうなれば何も怖くない…



真由はトイレのドアを開ける。




ブラン。












青白い男がトイレの入口にぶらさがっている。






真由は気を失った…













「ん…?」


真由が目覚めた時には、すでに日が昇っていた。







だけど、夢じゃない。
夢じゃなかった。






そこには、


首を吊っているお父さんがいた…。