池の澄んだ水に、己の姿が写る。 なんと、醜い。 壁を越えて来る者の気配を感じている。 人間が三人。登って来ることを山が受け入れれば、数日のうちに、山頂に着くだろう。 人間に会うのは久しぶりだ。楽しみも、不安もある。 何を求めてここに来るのだろうか。 この醜い姿を何と思うか。 その像を消してしまいたくて、ざぶんと池に飛び込んだ。