清水は小さくため息を吐き、同じく呆然とした表情で佇んでいる紫馬に小声で話しかける。
「都さんの執事の仕事って昨日で終わったんじゃないんですかね?」
「……どうやら、俺たちの勘違いだったようだな」
はぁ、と。
清水は大きな手のひらで顔を覆う。
が、しばらくするとくすくすと笑い出していた。
「このくらいの方が、お二人らしいってことなんですかね?」
「そうそう。そういうことだよ。
案外、俺たちが思っているよりも二人してオコチャマだったってことだねぇ」
収まらない騒ぎを尻目に、紫馬は肩を竦めてみせる。
清水は新聞を畳みながら、顔をあげた。
「都さん、おなか空いてませんか?
美味しいブランチを用意させますよ?」
その柔らかな声に、ぴたりと都の動きが止まる。
餌をみつけた栗鼠のような瞳が、全てを物語っていた。
さすがに大人気なかったと気づいたのか、三歩離れたところで立ち止まり、ふぅと、大雅が頭を抱えていた。
随分と手なずけたもんだねぇ、と。
面白そうに紫馬が呟いたのを聞き流しながら、清水はブランチの準備を頼みにキッチンへと向かっていた。
銀組執事、清水英明の憂鬱で楽しい日々は、まだまだ、終わりそうにもないらしい。
Fin
「都さんの執事の仕事って昨日で終わったんじゃないんですかね?」
「……どうやら、俺たちの勘違いだったようだな」
はぁ、と。
清水は大きな手のひらで顔を覆う。
が、しばらくするとくすくすと笑い出していた。
「このくらいの方が、お二人らしいってことなんですかね?」
「そうそう。そういうことだよ。
案外、俺たちが思っているよりも二人してオコチャマだったってことだねぇ」
収まらない騒ぎを尻目に、紫馬は肩を竦めてみせる。
清水は新聞を畳みながら、顔をあげた。
「都さん、おなか空いてませんか?
美味しいブランチを用意させますよ?」
その柔らかな声に、ぴたりと都の動きが止まる。
餌をみつけた栗鼠のような瞳が、全てを物語っていた。
さすがに大人気なかったと気づいたのか、三歩離れたところで立ち止まり、ふぅと、大雅が頭を抱えていた。
随分と手なずけたもんだねぇ、と。
面白そうに紫馬が呟いたのを聞き流しながら、清水はブランチの準備を頼みにキッチンへと向かっていた。
銀組執事、清水英明の憂鬱で楽しい日々は、まだまだ、終わりそうにもないらしい。
Fin