『それで、どんな話になったんですか?』

ことの成り行きを静かに見守っていた大雅が、柔らかく問う。

『それが、まだ、特に何も』

紫馬が軽く言って、大雅の隣の椅子に座る。
都は眠そうに目をこすりながら、さらにその隣にちょこんと座った。

その真向かいに清水は居る。

豪奢な部屋の真ん中にある、十人以上つける楕円形のテーブル。
その周りを取り囲む重厚な黒い革張りの椅子。

まるで、三対一の面接のような雰囲気になった。

いや、少し違う。
背筋を伸ばして座っている三人に比べ、都はテーブルに突っ伏していた。

『都ちゃん、お部屋でお休みしなさい』

『いやぁん。清水のおじさんどうなるのか教えてくれないとい・やっ』

紫馬の言葉に都は眠気を抑えきれない声で応える。

紫馬は諦めたように長い脚を組みかえる。

『だってさ。
どうする?ヒデさん』

紫馬は艶やかな笑みを浮かべて問う。