そこで、都ははたと首を傾げ、大雅の腕からするりと抜け出しベッドの上に正座する。
着替えてないので、小学校の制服を着たままだ。

『どうして、私ここに居るの?
おじさんは?』

『おじさんは紫馬さんとお話中。
無事に、この邸に来られているよ』

ぱぁっと、都の顔が輝くのが見て取れて、大雅は内心面白くない。

『都さん、どうしてそんなにあの人のことが気になるんですか?』

その質問を最後まで聞く前に、都はベッドから飛び降りていた。
大雅は慌ててその手を掴もうとするが、一足早く都はすり抜け、部屋からも出て行った。

さすがにパジャマ姿のまま廊下を歩くことを躊躇った大雅は、諦めて、素早くジーンズとTシャツに着替えた。