まるで、場違いのように柔らかい声が、空から降ってきた。

清水は目を開ける。

ウサギのぬいぐるみを持った女――否、少女が笑顔で立っていた。


――と、都市伝説?

清水が思わず目を見開いて、なんとか言葉を搾り出した。


『いや、マゾじゃない』

『ふぅん。
じゃあ、みやちゃんが助けてあげるね』


にこり、と。
天使のように無邪気な笑顔を浮かべた少女は。

ウサギのぬいぐるみに手を突っ込み、パンヤに包まれたトカレフを取り出したのだ。

『……は、はぁ?』

あまりにも突然の展開に、二人の青年もついていけないようで間抜けな声をあげた。


直後。


パァン、パァン。

乾いた音が正確に二発。

そうして、どさり、と。

男一人分の重みが清水の上に無遠慮に乗っかってきた。