「毅、あいつ変な奴だよな?」

長距離の授業をサボり、体育館でボンとバスケ。


純は真面目くんだから、今頃走りまくってるはず。


「あんな奴と思わなかった」


ボンが言いたいのは、純?瀧澤?

最近一気に二人になついて来たボン。

オレもそうだけど、
所謂進学校で変わったカッコしてると、風当たりはかなりつよい。

ボンは医者の家に生まれて、兄貴も医学部、妹は某有名私立に行ってる。

親の期待は高校に入ったまでで終了し、今は面と向かって「我が家の恥」と言われ、
それ以外は妹を抜かした家族みんなに存在を否定されてる。



ボンはギスギスしたとこばかりが目立つが、
傷付くのを避けるばかりに人に簡単に心を許さないだけの、
寂しがり屋だ。


愛情に飢えてるから、付き合う相手相手に精神的に依存し過ぎて、
可愛い顔の癖にフラれてばかり。


「オレ、純に頑張れ、応援してるって言われた」

「それの何が変なの?」

「…オレ、純にかなり態度悪かったじゃん。なんつうか、あいつのノーブルさが家のクソども思い出させてさ。ああ言う奴らに、頭悪いとか流行んね〜とか馬鹿にされてきたから」


ボクは黙って頷いた。


「変な先入観持って見てたのオレだよな。あいつ全然根に持ってない。本当に応援する気でいた、そんな目だった。…いい奴だよな」


よしよし。


音楽で輪が出来て、それでみんなが仲良くなり、最終的には戦争とかも無くなりますように。


ハハハ…笑えね。