「…女の子ってどんな気持ちなんだろ、分からない」



電話の相手は、毅くん。
常識的で深夜に電話なんて有り得ない彼からのコールに
ただ事ならぬ覚悟で出たのに、意外に普通な相談で安心した。


「ボクもつまんないこと話してんなぁと思うんですけど、女の子が分からないから悩んでしまって」


「なんだか分からないけど、とにかくその子はショッキングな出来事が重なり、何故か突然、明日、毅くんに相談したいと言って来たんだね?」


私が確認すると小さな返事があった。


「毅くんはその子のことを…あ〜…好き?」


この手の話が苦手。恋愛や情念的な話は本当ごめんなさい、な私。
毅くんもそんな感じだから魚のいない国で魚の話してるみたいな掴み処のない会話。


「あ〜…多分、毅くんの事…気になってるのか…も。」

「えっ?!」


心底驚いた声。多分、毅くんが想定してない状況に、半ばパニック?になり、アワアワ言い出して言葉にならなくなっていた。


「だって彼氏の友達ですよ?!しかも彼氏は学校1のイケメン!ボクは自他共に認める学校1の変わり者!」


「毅くんは確かに個性的だけどイケメンだよ」


そこはきっぱりと言えた。


口ごもる事ばかり話すのはきついから、ちょっとブレイクタイム。


「イケメンなんて軽薄な単語、真知子さんの口から聞けるなんて」


そこに食いつく?