塾は大幅遅刻になり、山浪君は今日は帰る、と帰って行った。


私も塾に行く気持ちになれない、と花巻君に家まで送って貰った。


「毅、スゲエよな〜」


花巻君はそればかりを連発して
私が何故泣いていたのか、
今の気持ちはどうなのか、
全く気にならないらしい。


家に着くとママに説明する事なく
とにかく身体を綺麗にしたくてバスルームに向かった。


戸惑うママと呆然とした花巻君を残して。


バスルームには
山浪君の
「この子にふざけた真似さらすとシバくぞ」
という言葉だけを持ち込んだ。


その時からだ。山浪君が気になり出したのは。