ボクが花巻に抱いていたイメージと大分ギャップがありつつ、

いやいや、

ミュージシャンが先入観に捕われてどうすると自問し
花巻を受け入れようと自答した。


季節は春。


なにもかも許して受け入れるべき柔らかな季節じゃないか。


しかし受け入れられない人もいた。


軽音部の小難しいタイプ。


奴らはボクにはいい奴らだが、楽器の出来ないイケメンに対して偏見があった。


受け入れろとは言わないが、
せめてボクにくっついて部室にやってきた花巻が
花巻らしくきまじめに挨拶するのを
無視しないでやって欲しかった。


そしてもっと手強いのが
瀧澤だった。


瀧澤は二人で通うことを決めた塾に
ボクが体験学習しにくることが
どうにもこうにも許しがたい事のようだ。


しかも無理矢理に近いような誘い方を
花巻の方でしてるのが許せないのだろう、
3人で映画を見ている間も一人ちょっと離れて座っていた。