ボクはCafeを飛び出すと、春めいた町の景色に出くわした。
霞がかった空は優しい色だった。
はっきりしない空模様だって?
晴れや雨より曇りが好き。
何だってはっきりさせるばかりかいいこととは思えない。
ボクが二人を残した言い訳は、あながち嘘ではない。
一人暮しにちょうどいい部屋も探さなきゃだし、母さん達に結婚祝いもしたかった。
プラプラ町を歩いていたら、
歌田コズエさんに会った。
真知子さんの軽音バンドのボーカル。
歌田さんは小柄でおっとりとしてるが、度胸とセンスは抜群で、一言では言い表せないけど、ペース感が全く人と違う。
今はOLさんだ。
超マイペースな歌田さんに、普通のOLなんてできるの?と心配したものだ。
「やっぱり毅くんだぁ。大きくなったね」
「歌田さん、なんか、ますます綺麗になったみたい」
「そうなの。綺麗になりすぎたよね、私」
相変わらず、冗談か本気か掴めない人だ。
でも中身の変わらない部分を感じて、懐かしさと嬉しさに充たされた。
「毅くん、歌、歌ってる?」
「あ、いえ。今の軽音にはボーカルいますから」
「え?毅くんより上手いの?聞いてみたい、聞いてみたい。カナメ祭は5月になったよね?」
都合を聞くと予定が合わなかった。
余りに歌田さんが残念がるので、19日のボンのライブに誘った。
「カナメ祭もリハ行けそうなら、せめてリハ行くからね。じゃ19日ね」
歌田さんはこれからデートだって。
本当に春そのもの。
霞がかった空は優しい色だった。
はっきりしない空模様だって?
晴れや雨より曇りが好き。
何だってはっきりさせるばかりかいいこととは思えない。
ボクが二人を残した言い訳は、あながち嘘ではない。
一人暮しにちょうどいい部屋も探さなきゃだし、母さん達に結婚祝いもしたかった。
プラプラ町を歩いていたら、
歌田コズエさんに会った。
真知子さんの軽音バンドのボーカル。
歌田さんは小柄でおっとりとしてるが、度胸とセンスは抜群で、一言では言い表せないけど、ペース感が全く人と違う。
今はOLさんだ。
超マイペースな歌田さんに、普通のOLなんてできるの?と心配したものだ。
「やっぱり毅くんだぁ。大きくなったね」
「歌田さん、なんか、ますます綺麗になったみたい」
「そうなの。綺麗になりすぎたよね、私」
相変わらず、冗談か本気か掴めない人だ。
でも中身の変わらない部分を感じて、懐かしさと嬉しさに充たされた。
「毅くん、歌、歌ってる?」
「あ、いえ。今の軽音にはボーカルいますから」
「え?毅くんより上手いの?聞いてみたい、聞いてみたい。カナメ祭は5月になったよね?」
都合を聞くと予定が合わなかった。
余りに歌田さんが残念がるので、19日のボンのライブに誘った。
「カナメ祭もリハ行けそうなら、せめてリハ行くからね。じゃ19日ね」
歌田さんはこれからデートだって。
本当に春そのもの。