太郎くんの見つめる先には、
ポツリと電柱の下におかれた小さなダンボール箱がある。


そこからは匂いがする。わたしと同じ動物の臭い



少し駆け足で太郎くんはそのダンボールに近づく。

鎖が引っ張られ首輪がぎゅっとなって苦しい。

太郎くんはそっと箱の中を覗き込んだ。


「……捨てられたんだ」