『わんっ!!』

「ポチ子!!」


その時、何か物音が聞こえた。

『どさっ』って。

くるりと後ろを振り返ってみると、なんと子猫が段ボールの中で倒れていた。


子猫の体をよく見ると、がりがりに痩せていて骨が浮かび上がっていた。


「‥‥かわいそうに」

 太郎くんは進もうとしてた足をダンボールの方に戻し、子猫に歩み寄った。


「ずっと、ずっと何も食べてなかったんだ」


食べられないってどんなに苦しいんだろう。

わたしはドックフードをずっと食べられないなんて考えられない‥‥。


黙りこんだ太郎くん。