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学校帰りの校門を通る。



私の隣には、小さい時から幼馴染で親友の松本咲実。

でも、さっきから携帯ばっかイジってて話しかけても知らん振り。




「ねぇー…咲実ぃ」


「んー?何ぃ」



ほぉーら、声は出すけど目線は携帯電話。





もぉっ!少しは話を聞いてよね!


私はそお思いながら、咲実に「もぉ、いい」何て言って付け離した。





「ちょっとぉー!折角、返事したのにその態度は無いわっ!」


「だって、咲実はさっきから携帯ばっかでしょ?ろくに人の話も聞かないくせに」


「あぁっ、ごめんごめん…」




咲実は拗ねて頬を膨らませた私に、両手を合わせて謝った。


私は、呆れて溜息を付きながらも「はいはい」って言ったら、咲実は「ありがとぉーっ!もう、陽菜は最高だわ!」とか言いながら抱きついてきた。


私は、急に抱きつかれてバランスを崩しそうになったが、何とかそれは回避して咲実を受け止めた。




……全く、調子がいいんだから。




「…危ないから、急に抱きつかないでよ!」


「あーごめん。ついよ、つい」




咲実は舌を出した。




「…で?よく思うけど咲実は携帯で何やってんの?」


「ん?…あたし?」


「咲実しかいないじゃん」




私が「で、何?」と問いかけると咲実は少し考えてから人差し指を出した。





「ええーっと、メールとかお気に入りのサイトに行ったりとか…」


「へぇ…咲実は急にメル友とか増えてるから驚くよ」


「そうかな?別に普通だと思うけど?」




咲実は人差し指を下げた。

そして、何かを思い出したかのように私の肩を持った。