「ユキちゃん、嶋村さんきてるよ」


バイト仲間のチアキちゃんが、いつものようにこっそりと耳打ちしてきた。


…正直、うんざりする。


そんなコソコソしなくたって、もう気付いてるってのっ…!!







――…なんてことはもちろん表には出さず、わたしはニッコリと笑ってみせた。


「それじゃオーダー行ってきます」


気付かれないように小さくため息をつくと、例のテーブルへ向かう。