あれからまた、嶋村さんはめっきりと顔を見せなくなった。
もしかしたら、あの時が最後だったのかもしれない。
イベントが無事に成功して、招待客の生の声を聞く。
わたしを誘ったことだって、仕事の一貫だったんだ。
一般の人の反応が知りたかっただけ。
じゃなきゃ、わたしみたいな普通の洋食屋さんのアルバイトの子を、あんなイベントに誘ったりするはずない。
そうだ、そうに決まってる。
わたしは自分にそう言い聞かせながら、普通に振る舞った。
13時になると、つい入口の方に視線をやってしまうが、すぐに業務に戻る。
もう来るわけが、ないんだから。