「――申し訳ありません、ただいま橘様がお着きになられまして――」


「――わかった、すぐ行く」


慌てている女性を落ち着かせるように冷静に答える嶋村さん。





―――…え…!!???





―――…だ、誰…!!???






い、い、いつもと違いすぎるでしょ〜〜〜〜っ!!???






わたしはただただポカーンと嶋村さんと女性を交互に見やる。


「すみません小堀さん、行かなくてはいけないので…」


「…あ…わたしは大丈夫ですから…」


慌ててそれだけ言うと、嶋村さんは本当にすまなそうに頭をさげた。


「今日の格好、素敵ですね」


ニコリと笑ってそれだけ言うと、嶋村さんは女性の方へ向かう。


わたしは、予想外のセリフに動揺していて、女性が去り際、こちらを睨んでいたことなんて、全く気付かずにいた。