いつもと同じ、普通の楽しい日のはずだった。 「今日は本当に楽しかったね」 駅で電車が来るまでずっと喋っていた茉衣(マイ)がそう言った。 映画を観た帰り。 私たちの住む町はここから駅5つ離れている。 「あーだね!まじ、映画の俳優イケメンだから」 私がそういうと、梨衣(リイ)が口をはさむ。 「もう、智結それしかみてないんだから!」 *