ところが意外にも早く反応が来た。


翌日のクリスマスの夜、

オレは特に誘う相手もいないので、

大学のサッカーサークルの後輩で、近くの商社に勤めている高杉を連れて「JJ」にいた。



さっき「JJ」のドアを開けるなり、

内山くんが言った。


「ヤマジョーさん、久しぶりっすねえ。

この前、美女が二人来ましたよ!」


そうか、女性同士だったのか。



「なんだか雰囲気が似てたから、

もしかすると姉妹かなあ。」


「ふーん、なんか言ってた?」


「僕の名刺持って来た方の女性が、もうひとりの方からヤマジョーさんのこと、根掘り葉掘り聞かれてたみたいだけど。」


「ふーん。」



「なんだ、先輩、ちゃんと彼女いるんじゃないっすか。

オレなんかじゃなくてその人誘ってくださいよ、

こういう日は。」


高杉は、会社の女子とのクリスマスパーティに一刻も早く駆けつけたいのだ。


オレは「JJ」に一人で来てもよかったのだが、

あの日の吉村紀子の情報が欲しくて来たと思われるのが癪で、無理やり高杉を誘った。




そのときだ、吉村紀子からメールが来たのは。

やったー!

心の中で、ガッツポーズをした。

シナリオ通り、クリスマスケーキの写真付きのメールだった。