この「幸せのコンタクトポイント」探しを携帯サイトでできないだろうか。

というのがアイデアの起点だった。

「幸せ」に関連する名前のついた場所の写真をメール配信し、

その場所を発見し、そこからメールをすると恋愛が成就するらしい、

というバズ(口コミ)を発生させる。とかなんとか・・・


ありふれてるかなと思いつつ、他にアイデアもないので、

とりあえず出してみたら、なんとチャボウズが、

「それだよ、ヤマジョー!」

とか言って食い付いてきたのにはビックリした。



まあこれであとは周辺アイデアを小出しに付け加えていけば、しばらく時間が稼げる。



それよりなにより集中すべきは「JJ企画」だ。



月曜日の朝、顔を見るなり吉村紀子が、


「JJ、行ってきました。とってもいいお店ですね。みなさん気さくで。

ありがとうございました。」



と言ってペコリと頭を下げた。


「これ、クリスマスプレゼントです。」



そうか、

きょうはもうクリスマスの3日前だ。


だが明日は祝日なので、

プレゼントを渡すタイミングとしては悪くない。


それにこうなるとこちらとしては、明後日のクリスマスイブに何らかのお返しをせざるを得ない。



自分でクリスマスをなんとか利用できないかと考えていたのに、先を越された。


やはりこれは向こうのシナリオなのだろうか?



「あ、すみません。」


オレはあわてていつもよりふくらんでいるSバックスの紙袋を受け取った。


会社のデスクで開けると、コーヒーカップの横に、

Sバックスのクッキーのクリスマスパッケージと、

カードが一緒に入っていた。



「山木ジョー様 メリークリスマス!

素晴らしいお店を紹介していただいてありがとうございました。

お店の方がみんな山木さんのこと褒めてました。

素敵な方だって・・・


いいクリスマスを。吉村紀子」