「メリークリスマス!

きょうは妹と二人でケーキを作りました。

山木さんの素敵なカードも一緒に飾りました。

紀子&恭子」



二人で暮らしているんだろうか。


ということは独身ということか。


しかし最後に妹の名前もあるのはなぜだろう。



内山くんの話では、妹らしき方が吉村紀子に、オレのことをさかんに聞いていたらしいから、

もしかして吉村紀子がオレに好意を持ってるようなことを言ったので、

妹に冷やかされていたのかも知れない。



たぶん考え過ぎだ・・・



「高杉、行きたいんだったらもう行ってもいいぞ。」

「あれ?なんかメールが来た途端これだもんなあ。

どうせオレは大学時代からベンチウォーマーですよ。

誰かが故障したときだけ重宝がられてたもんな。」


とブツブツ言いながらも、

顔は嬉しそうに、店を出て行った。


さて、どうするか。一気に行くか。


でも明日から仕事が忙しくなりそうだし、

年末の慌しい時に食事に誘い出すのも気がきかない。

向こうは田舎に帰るかも知れないし・・・





「メリークリスマス!ケーキの写真ありがとうございました。すごくおいしそうですね。

誘う相手のいないオトコ同士でJJに来ています。

いまケーキの写真を見せびらかしているところです。


バーテンの内山くんが、

この前すごい美人が二人来たと言ってましたが、

それが妹さんでしょうか。


年が明けたら、一緒にお食事でもいかがですか?ヤマジョー」




結局この日は、それ以上メールの返信はなかった。


家族でクリスマスパーティを楽しんでいるのだろうか。