「でも、実際キレてますよね」


「しつけぇな!」


「ほらキレてる!」


「…………」


「そんなに気になるんですかぁ?」


「べ、別に気にしてない!」


「またまた〜」


「はいっ、お茶です!」



絡みづらい雰囲気になる前に、会話を遮ってテーブルにコップを置いた。



「わたしのは?」


「うわ―――!!」



止まった。
心臓止まった。



「ゲームは!?」


「やめた」


「何時の間に!?」



北村さんの向かい側に座るサエ。

気配がなかった。

見ればテレビとゲームの電源もちゃんと消してあり、コントローラーのコードもちゃんと巻いてある。

お前何者だよ。



サエは神速で動けるのか、ぼくが鈍いだけか………。

後者かな。
多分。
前者だとなんか怖い。

絶対後者。
多分。
きっと。
そうだといいな。
マジで。
心から。





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