「慣れて下さい」



見慣れて下さい。

何か言いたそうな北村さんの視線を避けながらリビングに入り、二人に椅子をすすめた。



「ありがとう」


「センキュー!」



優しく礼を言って座る北村さん。

何故か下手な英語で礼を言って座る富士原さん。



「お茶で良いですか」


「うん、有難うね」


「イエス、センキュー!」



だからなんで英語だよ。



「アンタ、なに英語言ってんすか」



名刺の件での怒りを抑えきれてない北村さんが、殺気のこもった声で言った。



「いや、英語しか……」


「さっきからペラペラ日本語話してるだろが」


「……なんでキレてるんですか」


「キレてないですよ」


「長州さんの真似?」


「してねぇ」




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