『敵将、成敗しました!』
「まだ………………まだいける…………1912人………まだ…………」
テレビゲームをしながら、ゲームキャラの声に続けて、ブツブツと「まだいける……」を連発する様はどうだろうか。
座りかたがあぐらなのもどうだろうか。
パンツ丸見えなのもどうだろうか。
「………サエ、お客さんが来たからそろそろ―――」
「黙れ。気が散る」
ゲームに集中してるのもどうだろうか。
テレビ画面を睨みながら、手ではコントローラーを巧みに操っている。
○ボタンを押し、×ボタンを押し、□ボタンを押し、△ボタンを押す。
怖いよ。
操作キャラがコロコロ変わり、敵を薙ぎ倒す。
倒した数が半端ない。
無理だと思うけどな。
「まだいける………2506人………少ない……まだだ………逃がさねぇ……」
少しの間にかなり数が増えてるし。
後ろからその姿を見ていた北村さんが
「怖い」
ゲームの中とはいえ、ジェノサイトを続ける姿に身震いした。
身震いする前に、「12歳以上向け」のゲームをしてる事を叱るべきだろ。
「あれ、上手くいけば3800くらい出来ますよ」
下らない情報を有難う富士原さん。
「サエ、だからお客さんが、」
「黙れ刺すぞ」
ああだめだ。
こりゃだめだ。
もう話通じねぇや。
「すみません、サエがゲームしてますが大丈夫ですか?」
「いいけど…………あの子、目がイッてるけど止めなくて大丈夫なの?」
止めらんないから言ってんじゃん。
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