「ねぇ、ちょっとじゅ」


「名前でよぶなぁ!」


「ハイハイ、順子さん、ちょいと落ち着いて下さい」


「やだ!」


「えええー?」



ワタシヨクワカリマセーン、とでも言うかの様に肩をすくめる富士原さん。


北村さ



「富士原のアホゥ!!」


「そうです私がアホの富士原です。―――何が言いたいんですか」



アホが自分をアホと認めましたよ。

それは置いといて。

地の文を割って叫んだ北村さんは、富士原さんのほっぺたを掴んで(「痛い痛い!」)縦に横にと動かしながら(「暴力反対ぃ!」)、



「本当はここに居たくないだと!? なら居るな!! 生きてたくもないだと!? なら死ね!!」


「ひでぇ!!」


「うっせぇ!―――馬鹿じゃねぇの!? 昔の事ばかり根に持ってたら何時までも変わらねぇだろ! 前髪切るぞ!? ああ!?」


「こわっ!―――なんか、よく解らないですよ」


「…………」



ほっぺたを掴んでた両手首を富士原さんに掴まれ、アッサリと手の力を抜いた北村さん。