北村さんは、富士原さんを起こそうとソファに近付き、
「…………」
なんか、ふにゃー、というか、ほにゃー、というか、よくわからない感情が湧いてきて、起こすのは断念しました。
人はそれを“萌え”と言います。
「……燃え?」
違う違う、燃えたら灰になるわ。
「………」
都合よくシカトかよ。
とりあえず風邪引かれちゃならんので、寝室から毛布を引きずりながらホコリまみれにしながら持ってきて、軽くホコリを払ってから掛けてあげました。
「やさしー」
「いや、風邪引かれて居座られたら困るから。――――っていうか起きてたのかよ」