あと五センチってところで、そんな事を抜かしました。
「は?」
「おなか、すーいたー!! ボク、そういえば昨日の昼から何も食ってないんですぅ……」
「ゔ………っ」
そ、そんな、そんな近くでそんな瞳で見られたらぁぁ……!
「何か、作って?」
「ゔゔ………っ」
「出来れば、チーズリゾット………」
“何か”とか言いながら注文してんじゃねぇか。
「えへへへ………。ご馳走様です」
「お粗末様」
「…………」
「なんだよ」
見事に出来上がったチーズリゾットが入っていた皿は空。 中身は今や富士原さんの腹に。
で、今富士原さんはクリッとした目で北村さんの両の目を見ています。
失礼な奴め、と北村さんも見返します。 まるでえぐるかのごとし。
何でしょうかね、何かマズイもんでも入ってたのかな。
「ええっ!?」
いや、ええっじゃないから。
「チーズリゾットって、チーズ入れてよかったよね?」
当たり前やん。
チーズ無きゃチーズリゾットって言わんから。
「………」