普通にイナカの何もない町。
ワタシが生まれたのは田んぼしかない町だった。
『絶対都会にでてやる!!』
幼いながらに、まさしく田舎者の発想がしみついて育っていった。
安藤夏生、18歳。身長170cm、体重……
まぁ…ぽっちゃりだ。
小学生から陸上の長距離をしていたが、Mっ気はないので止めた。そしたら見事にぽっちゃり。身長伸びたからいんじゃない。女の子はガリガリよりぽっちゃりぐらいがいいハズ。っという感じでこの歳まできた。
Mっ気はなくても、スポーツは見るのもするのも大好き。体育の成績だけは常に5。バレー部よりパスやアタックが上手く、水泳部より速く泳げた。スポーツ観戦では自分の経験から、特に駅伝、マラソンの中継を好んで見ていた。そのため、選手名や所属チーム、出身などかなりマニアックな情報を知っていた。中でも同じ県からでたスターの情報は、ハンパない。情報通だからこそ応援にも力が入る。スポーツ強豪揃いの県に生まれては仕方ないことだ。
そんなワタシの大好きな選手は、もちろん陸上長距離の長野健太郎。大学駅伝期待の星で、数々の日本記録を塗り替えてきた。テレビにでる度に日本中から熱い声援を贈られる。ワタシもそんなテレビの前の1人だった。