あの男は翌朝の早朝、帰ったようだ。

ナオはあれから、毎日とてもぼんやりしている。
家に居ても、仕事ばかりしている。
ぼくに触ることも、話し掛けることもずいぶん減った。
前より、能率が悪いのがぼくの目にさえもわかるほどだ。
食事も以前より、ファーストフードとか、手軽なものが増えた気がする。
ぼくの食事もキャットフードが多くなった。

それがしばらく続いて、ナオのことを、少しだけきらいになった。
さみしかったのもあるだろうし、ヤキモチもあったのかもしれない、
だけど、ずうっと好きだったぼくのナオじゃなくなってしまったから。