「ナオちゃん…紅茶なんていいから、こっちおいで」

「あ、もうすぐできますから…」

なんだろう。
いつものナオじゃないみたいなのもかなしいし、
男がいるのもさみしいし、
ナオのそばにいても、触ってもらえないのもいやだ。
せっかく一緒にいれる時間なのに。

「じゃあ、俺のほうからそっち行こ…」

「え?」

ナオが、あの男に抱きしめられる。
ナオが、あの男に口付けされている。
ティースプーンが、床に落ちた。


ぼくがまともに見れたのはここまでだった。