ぼくは、とっさに、ツメを立ててマンションのガラスに飛びついた。
『かちゃん』という音に気付いたのか、2人はこっちを見た。

沢木はぼくを見て、何か、気付いたようだった。
さっきまで抱き合っていた女の子に何か少し話をして、
マンションから沢木が出てきた。
スタスタと歩き出したナオの後姿を追いかけ、腕をつかんだ。

「…ナオ!」