「おかえり、ナオ」

「ただいま」

「鍵、やっぱりあると便利だね、こうやってナオのこと待ってられる」

「ふふ、じゃあ、ご飯作るね」

あの男と、会話をして、ぼくに声を掛けた。
ナオは普段着、と沢木には言っているオシャレな服に着替えて、
その上からエプロンを身に付けて台所に立っていた。
沢木に作る料理は、いつもより気合が入っている。
台所に並ぶ調味料も、沢木と付き合うようになってから、すごく増えた気がする。