外の世界はわからないことだらけだった。
ぼくはここにいるのがいいみたいだ。
ナオがかなしむことはしたくないから、ここに居ようと思う。
あれからナオは少しだけぼくのすきだったナオに戻ってくれた。

思えば、あの男に一生懸命になったから、
他のことができなくなっちゃったんだろうな。
心がキレイだから、不器用になっちゃったんだろう。

「マサムネ、行ってくるねっ」

ぼくの頭を指でなでる。きもちいいな。
話せるなら、ナオにいってらっしゃいって言えるのに。