ナオが、泣いてる。

「ごめんね、ごめんね…ナオが、ほったらかしにしてたからだよね!?」

オレンジ色だった辺りの色が、ぼくの毛の色と似ていた。
こんな中で、ナオはぼくをよく、見つけられたなあ。

「マサムネがいなくなっちゃうの、やだよぉ…」

ナオは、子どもみたいに泣きじゃくっている。
目も腫れて、鼻も真っ赤だ。


ぼくには、何ができるんだろう。


ナオを泣かせたいわけじゃないのに。