「悠…」




悠は私の隣の家に住んでいる男子。


でも家が隣だったからと言っても、小さい頃から遊んでいたわけじゃない。


知り合ったのは小学校。



下の名前で呼び合っているのも、ただ小学校から一緒だっただけで、付き合ってるとかそんなんじゃない。


悠は呆れたように笑いながら近付いて来る。



「まーたキレてんな? しゃーねーだろ名前ばっかりは」

私と未恵が座ってる席の横の席の机の上に座る悠。



「全然良くない! 悠は誰でも読める簡単な漢字だからこの気持ちが分かんないの!」


私が悠から目線を逸す。



悠は明らかにムカッとした顔をした。



「…何かそれムカつくんだけどさー喧嘩売ってる?」


「は?売ってないし馬鹿!!」


「馬鹿じゃねえお前より頭良い!」