目が覚めたのは9時過ぎだった。


遅い朝食を済ませ、陶子さんに指示された通りに装備を整えて待っていると、陶子さんが迎えに来てくれた。


「どう?ちゃんと眠った?」


「うん」


体調はすこぶるいい。


陶子さんの車で5合目まで行き、陶子さんが軽く昼食をとるのに付き合い、1時間ほどそこで過ごした。


「涼くんはいいの?」


「うん、俺、朝が遅かったから」


食事をしながら、陶子さんは富士登山の注意をいろいろ教えてくれた。