「うん。
ギターがよかった。
あのバラードの間奏がめちゃめちゃ良かった。
指の動きハンパないし、音もすげえかっこよかった」


俺はまだ興奮の冷めないまま、まくし立てた。


「へえ、涼くん、耳いいね。
楽器やる人だっけ?」


「ううん」


「あのギタリストはね、ちょっと有名な人なのよ。
昔から彼のバックでやってくれてるんだけど、すごくうまくて引っ張りだこの人なの」


「へえ、そうなんだ」


「うん、あの良さがわかるって、涼くん、センスあるじゃない」


「そう?」


「うん、何か楽器やってみれば?」


楽器かあ……