「うん、いいけど」

「今日、家には涼くん一人?」

「うん」

「悠くんと莉絵ちゃんは?」

「悠介は夏期講習。
莉絵は信二叔父さんのところ」

「そう。じゃあ、あとで2時過ぎに伺うから、よろしくね」

「わかった」



陶子ちゃん。

いや、あの頃とは違う。

俺はもう小学生じゃない。

陶子さん、て呼ぶべき?

年の離れたいとこ。

俺とは12違うから、今、28歳のはず。

仕事でニューヨークにいたはずだけど。

夏休みで帰国したのかな。



うちに人が訪ねて来るのは久しぶりだった。


俺はシャワーを浴びに浴室へ向かった。