陶子と過ごした1週間、それはとても充実した1週間だった。


ドライブも、美術館も、ライブも、富士登山も、そしてバーで過ごした時間も。


どの瞬間も彼女は輝いていた。


俺は陶子の魅力にやられっぱなしだった。


彼女は俺よりずっと年上で、血のつながったいとこで、それに俺には付き合っている彼女がいて。


そう自分に言い聞かせて、彼女の魅力に気づかないフリをしていたけれど。


今、振り返って考えれば、彼女の美しさに目を奪われ、再会したその瞬間に恋に落ちていたのは俺の方だ。


想いを遂げられた今、彼女を手離したくない。