フッと笑う彰の顔はすごく綺麗で、目の前にあるのに、遠くて手が届かない気がする。
わたしだけのひとになってくれない彰。
彰にとって新鮮なわたしを楽しんでるだけ。

ほんとは全然平気じゃない。
本当はわたしだけのひとになってほしくて、他の女の子と仲良くしてるなんてすごくいやで、毎日メールも電話もたくさんしたくて、色んな所に一緒に行きたい。
だけど、それを全部ぶちまけたら彰は離れちゃうんだ。
わたしより可愛いくて、彰が好きな子なんてたくさんいるんだから。

繋いでいる手の間に冷たい風が流れた気がした。