カラオケに向かう途中、あたりの店はピンク色や赤色の看板が目立っていた。
その店から嬉しそうな顔をして出てきた女の子達は、チョコレートの材料やラッピングが入った袋を大切に抱えていた。
いいな、と羨ましくなる。

彰はあの目立つ看板は目に入らないのだろうか。
目に入っても、気には止めないのだろうか。
わたしから欲しいとは思わないのだろうか。

彰から伝えられる想いは、いつも少し足りない。
いつも何となく彰を疑っている。
愛されている気がしなくて、悲しい。