会議室は教室から大分離れていて人が寄らず、光の届きにくい所にあった。
元々冷えている廊下が余計にひんやりと感じる。
彰はまだ来ておらず、わたしは床に腰を下ろした。
鞄からチョコレートを取り出し、両腕でギュッと抱き締める。

へたくそで、不格好で、キレイじゃなくて、溶かして固めただけ。
彰にとっての”彼女”はわたしには耐えられる役じゃなかった。
たくさん我慢して堪えた結果は大したものは残らなくて。
けれど、好きだったのは本当で。
彰を好きになったことをわたしは絶対後悔しない。

タン、と隣で人の立ち止まる音がした。

涙を堪えて顔を上げた。