翌日の朝目覚めると、気持ちは少し重くて。
カーテンの間を覗いてみると、空は薄暗くも晴れそうな色をしていた。
視線をずらすと、机の端に置かれた、赤いリボンで結ばれた小さな透明の袋の中に、昨夜に作られたキレイではないチョコレート。
胸が一瞬痛んで、「本当にこれでいいの?」と思ってしまう。
けれど、いくらわたしが好きでも彰が好いてくれなきゃ、意味がないの。
自分だけが好きでいるのは、つらいこと。

今日で終わりにするんだ。
ベッドから足を下ろして、気持ちを切り替えるように寝間着を投げ捨てた。